転職する際に気になるのは、病院の条件以外に採用試験の内容ではないでしょうか?
採用試験の内容は、病院によって異なります。
筆記試験がある病院はできれば避けたいという方も多いのではないでしょうか。
採用試験に向けて、押さえておきたいポイントをしっかり理解して、希望の病院に就職できるようにしましょう!
【体験談】私の就職試験はこんな感じでした
私は、いままでに2度の転職を経験しています。
転職理由は以下の内容でした。
- ルーティンワークに飽きた
- スキルアップがしたい
1度目の転職
最初は、公立病院から民間病院へ転職しました。
試験内容
1つ目の民間病院は、筆記試験はなく、面接のみでした。
人員不足もあり、面接も正直なくてもいいような内容でした。笑
経歴を聞かれたのと、志望動機を聞かれたくらいですね。
そのため、新卒の時の採用試験に比べて緊張はあまりしませんでした。
面接は小さな会議室でされました。
面接官は、看護部長と看護師長のみでしたよ。
2度目の転職
2つ目は民間病院から公立病院に転職しました。
試験内容
2つ目の病院は、小論文と面接試験がありました。
私のときの小論文のテーマは、「あなたがこの病院に貢献できることはなんですか?」というテーマでした。
自己アピールを求められるテーマだったので、正直苦手で、制限時間いっぱいまで悩んで書いた記憶があります。
面接は、大きな会議室での個人面接でした。
志望動機、自分の看護観、自分の長所、短所などを聞かれました。
面接官が、院長、副院長、看護部長(副院長)、看護次長だったので、ものすごく緊張したことを覚えています。
小論文も看護学校卒業以来書いてなかったですし、基本的なルールは事前に学習しました。
面接に関してもインターネットで調べて、復習して試験に臨みました。
こういった私の体験談を踏まえて、採用試験対策のポイントについて順番に説明していきますね。
看護師の採用試験ってどんなもの?
看護師の採用試験は、以下のような内容になります。
筆記試験
筆記試験については、必ずどこの病院でもあるわけではありません。
病院によって、出題内容も違います。
筆記試験の種類については、一般教養(一般常識、社会情勢に対することへの関心など)について、専門科目(国家試験に沿った問題)について、適性検査(クレペリン、YG性格検査で性格特性を見る)などがあります。
筆記試験に関しては、事前に勉強しておくことが大切です。
小論文(作文)
小論文(作文)については、公立病院のほとんどの病院が行っています。
筆記試験より、人柄や適性、感性などが現れやすいと言われているためです。
提示されたテーマについての出題意図を捉え、テーマに沿ってきちんと意見が表現されているかをチェックされています。
テーマの傾向を理解し、書き方についても、事前に練習しておきましょう。
面接
面接については、どこの病院でも必ずあります。
面接では、面接者と直接話すことで、人間性を伝える場であり、自己アピールの場となります。
看護師という職業は、知識、技術はもちろん必要ですが、なによりコミュニケーション能力や人柄が重要視されます。
筆記試験のポイント
筆記試験については、基礎的な知識をもっているか、一般常識があるかなどをチェックをされています。
ここでは、筆記試験のポイントについて説明していきます。
一般教養
教員試験や公務員試験などのように、ハードルの高い内容の試験ではないことが多いようです。
一般教養については、小、中学校で習得できるレベルの問題がでることが多いようです。
一般教養教本の初級レベルのものでよいと思います。
あとは現在の社会問題などについてです。
専門科目
専門科目については、国家試験レベルの内容が求められます。
年々、看護師国家試験の内容や問題の傾向が変わっているので、再就職の場合は、最新の国家試験の過去問から対策していく必要があります。
最近の傾向としては、状況設定問題が増えてきています。
状況設定問題では、単純に知識を問うのではなく、看護過程を理解したうえで判断する力や、課題を解決する力が問われます。
必修問題や一般問題と比べて問題文もかなり長い傾向にあるため、読解力が必要になります。
適性検査
適性検査については、コミュニケーション能力の高さを判断するために行われます。
看護師は、人と関わる能力が求められるためです。
言葉以外も含めたコミュニケーションをうまく取るには、性格や考え方に極端な偏りがあってはいけません。
言葉以外でも、表情、視線、ジェスチャー、姿勢などの非言語コミュニケーションにおいてもその能力は必要不可欠です。
小論文の書き方とポイント
小論文については、テーマが理解できているか、自分の意見を持っているか、課題への目標や解決などが明確に書かれているかが問われます。
また、小論文の文面や内容で一般常識の有無を判断するケースも多いため、公正性や問題に対する対処法が身についているかを見られています。
小論文のテーマ
小論文のテーマに上がる内容は以下のような内容になります。
- あなたの看護観
- あなたの長所と短所
- 看護師を目指した理由
- 目指す看護師像
- この病院にあなたが貢献できること
- 現在の医療情勢について
- チーム医療について
- 今後の医療について求められる役割
- 高齢化社会における看護師の役割
- 2025年問題について
病院によって多少違いはありますが、800字程度で設定されていることが多いです。
私が採用試験を受けたときは、文字数800字で、テーマは”この病院であなたが貢献できることについて”でした。
自分がいままでどんな診療科で働き、どのような経験をしてきたか、自分の強味は何か、それをどのように生かせるかということを書きました。
小論文の書き方
小論文を書く際に注意すべき点は以下の内容になります。
用紙の使い方
・決められている文字数のうち最低80%以上(640文字以上)、できれば90%以上(720文字以上)は書きましょう。
・用紙は医療施設によって“縦書き”と“横書き”の2つの原稿用紙が用いられます。
・段落においては、どちらも変わらず、内容が変わる場合には「改行(一マス空ける)」しなければいけません。また、数字においては、縦書きの場合は「一〇〇」または「百」というように漢数字で表記するなど、原稿用紙の基本的な使い方を守る必要があります。
文章の書き方
文章を書く際は、以下の点を意識して書きましょう。
- 起:文章の出だし、承:展開、転:本題に入る、結:結論をつけて全体を構成します。
- 5W1Hをはっきりさせて文章を書きましょう。
5W1Hとは、「いつ」「だれが」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」ということを指します。 - 誤字、脱字に注意しましょう。
- 文末は、「だ・である」「です・ます」を混在させないように、どちらかの表現で統一しましょう。
- 文末は「~です」「~と考えます」と書き、「思う」は多用しないように注意が必要です。
- 一文の長さを短くし、簡潔で読みやすい文章にする必要があります。
句読点が多く文章が長い場合には読みにくくなってしまうため、一文は50文字以下に抑えましょう。 - 句読点や「」、()も1マスを使用しましょう。
- 段落の最初や改行後の書き始めは1マス下げましょう。
- 縦書きであれば数字は漢数字にしましょう。
- 一人称は必ず「私」にしましょう。
看護業界では、転職活動の一環で小論文の提出を求められるケースは多いです。
採用試験でも一般教養や専門科目よりも、小論文を重視する傾向があります。
基本的に小論文課題は加点方式ではなく減点方式である場合が主体になっています。
そのため、減点ポイントを減らすことが大切です。
以上のことを踏まえて、いくつかテーマに沿って書いてみましょう。
まずは、文章を書くということになれることが必要ですね。
面接対策のポイント
看護師の採用試験では、面接は不可欠です。
面接でいかに相手によい印象をつけられるかで、結果は大きく左右されます。人の第一印象印象は、見た目が55%と言われています。
まずは第一印象で、よい印象を持ってもらえるように身だしなみやマナーを理解していくことが必要です。
それに加え、質問されることに対して、自分の意見をしっかり伝えることが大切です。
好印象を与える面接時の服装と身だしなみのポイント
服装…面接時の服装ですが、基本的にはスーツが望ましいです。色は、黒や紺が望ましいです。
靴やコートも無地の落ち着いた色のものを選びましょう。靴はヒールの低い、歩く音が大きくないものを選びましょう。
髪型…長い髪は束ねる、髪色は黒、または自然な茶色
前髪は目にかからないようにする
化粧…派手なメイクは避ける
ナチュラルメイクはいいですが、ノーメイクなどは顔色も悪く見えてしまうことや、社会人としてのマナーとして印象がよくありません。
また、まつげエクステなども、過剰になると派手に見えるため、ナチュラルに見える程度にしましょう。
爪…看護師は清潔感が大切なので、ネイルは避けましょう。
アクセサリー…時計はシンプルなものにしましょう。結婚指輪以外のアクセサリーもつけないようにしましょう。
面接時のマナー
面接では常に態度やマナーも見られています。基本的なマナーを確認し実践しましょう。
お辞儀…背筋を伸ばし、腰から上体を曲げる。首だけ下げるのはNGです。
あいさつを最後まで言いおわってからお辞儀をしましょう。ドアを閉めながらなど、何か動作をしながらお辞儀をしないようにしましょう。
座り方…背筋を伸ばし、背もたれにはもたれないように気を付ける。
手は重ねて膝の上に置き、足は揃えます。バッグは足元に置きます。
面接室に通されたら「どうぞお掛けください」と案内されてから座りましょう。
話し方…下を向かないようにし、相手の目を見て話す。
語尾までよく聞こえるようにはっきりと話す。表情に気をつけて、明るい笑顔を心がける。
質問に対する答えは簡潔にする。要点をまとめて話す。
面接で質問されること
面接でよく聞かれる質問ような内容です。
- なぜこの病院を選んだのか。
- なぜ前の職場を退職したのか。
- 看護師を目指した理由
- この病院でやりたい看護
- 今後どのような看護師を目指すか
- 今まで経験してきた診療科
- あなたの看護観について
- 自分の長所(強味)、短所について
- ストレス発散方法について
よく聞かれる質問については、自分なりの答えを考えておきましょう。
例えば、”今まで経験してきた診療科”の質問について例をあげましょう。
「○○科に何年勤務しました。」ではなく、「○○科に何年勤務しました。そこでは、○○の看護について学びました。」など具体的に経験したことからの学びを伝えるようにしましょう。
その際、あまり長すぎないように、要点をまとめて伝えましょう。
「脳神経外科に8年勤務していました。そこでは、急性期の患者の看護や、突然発症した疾患に対しショックを受けている患者・家族の精神的なサポート、回復期に移行した患者のADLの回復・向上に向けて、残存機能を生かした関わりをすることが、患者の回復に大きな影響を与えるということを学びました。
介助量も多く、大変ではありますが、看護の力が患者の回復に大きく影響すると感じました。」というようなことを答えました。
次に、”自分の長所(強味)、短所”の質問について例をあげましょう。
この質問は、自分のことを客観的にどのように理解しているかという部分を見られています。
自分の長所・短所を理解していることは、仕事をしていくうえで大切です。
長所はそのまま仕事の中に生かすことができ、短所は自分の傾向をつかんでいれば、対策を立てることができます。
そのため、自分の長所、短所はなかなか答えにくいとは思いますが、きちんとアピールすることが大切です。
できるだけ数多く伝えるのではなく、長所、短所それぞれ1、2個でいいので、仕事に生かせる内容について伝えるといいですね。
いくつか参考例を挙げます。
- 楽観的である→ポジティブに物事を捉えられる
- 我が強い→自分の意見が言え、リーダーシップがとれる
- 自己主張が強い→積極的である
- 何でも抱え込みやすい→責任感が強い
短所については、自分にも他人にも厳しい(他人にも自分と同じレベルのことを求めてしまう。)などです。
看護師の仕事に限らずですが、仕事に対する責任感や、安全に対する意識を強く持ってますよということをアピールしました。
短所については、裏を返せば、長所にもなりうる内容のものがいいですね。
”時間にルーズ”、”協調性がない”などは社会人としてマイナスのイメージになるので、避けましょう。
まとめ
採用試験に受かるためには、いかに事前の準備を行うかが大きく影響します。
転職したい病院の採用試験内容を事前にチェックし、早い時期から対策を行っていきましょう!
面接に向けては、自分を知るということがとても重要になりますので、日頃から自分はどういう傾向があるかなど意識しておくといいですね。
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