「病院の選び方がわからず、就職先を決めるのが不安。」、「イメージがわかない。」という方も多いのではないでしょうか。
病院見学という方法もありますが、他にインターンシップという方法があります。
インターンシップという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
《体験談》私の病院のインターンシップはこんな感じでした
私が学生の時は、インターンシップはさほどメジャーではなく、学生時代は経験していませんでした。
今は、実習指導を担当していることもあり、病院関係者としてインターンシップに参加しています。
一例ですが、私の病院で実際に行われているインターンシップは以下のような内容になります。
インターンシップで経験できること
- 看護師の仕事をそばで見学できる
- 院内の看護実習室で看護体験ができる
- 病院の職員しか入れないエリアを見学できる
- 職員食堂を体験できる
- 看護師のユニホームを着る体験ができる
- 1〜2年目の看護師の話を聞くことができる
看護師の仕事をそばで見学できる
実際に看護師と一緒に行動するため、看護師の仕事を間近で体験することができます。
私の病院では、バイタルサイン測定、点滴実施、食事介助、検査搬送などを見学しています。
実際に看護師が患者さんとどのように関わっているかも知ることができます。
院内の看護実習室で看護体験ができる
病院内の実習室で人形を使って、聴診したり、車椅子で搬送する体験などをしてもらっています。
病棟での看護師の仕事見学とは違い、緊張しなくてよいので、学生さんも楽しみながらされています。
病院の職員しか入れないエリアを見学できる
セキュリティカードがないと入れないエリアの見学ができます。
具体的には、手術室、検査室、カテーテル室、ICU、HCUなどです。
職員食堂を体験できる
働いている職員が休憩時間に食事をとるのを実際に経験してもらい、就職後のイメージを持ちやすいようにしています。
看護師のユニホームを着る体験ができる
実際に私たちが着ているナース服を着て、就職後の自分をイメージしやすいようにしています。
1〜2年目の看護師の話を聞くことができる
年齢の近い看護師のほうが、質問がしやすいので、あえて1〜2年目の看護師と話す時間を設定しています。
インターンシップを行なっていて気になること
病棟で看護師の仕事を見学している時間は、実際に看護師の話を聞けるいい機会になりますが、学生さんに質問があるか尋ねると大体の学生さんは「特にありません。」「大丈夫です。」という返答が返ってきます。
せっかくの時間なのに、すごく勿体無いなーと思うことが多いです。
質問がないだけであればいいですが、説明していても話をきいていない、だらだら行動しており、やる気がないように感じられる学生さんがいます。
そういう学生さんがいると、この病院には就職してほしくないなーと、正直感じてしまいます。
学生さんも病院をみていますが、病院側からも見られていることを自覚していないと、学校自体の印象も悪くすることを考えて行動してほしいなと思います。
また、身だしなみを整える準備すらしてこない学生さんもいます。
私の体験談を踏まえて、インターンシップについて意識しておきたいポイントについて順番に掘り下げて説明していきますね。
インターンシップとは?
インターンシップとは学生が就業前に企業などで「就業体験」をすることです。
看護のインターンシップは、病院での看護体験を通して、病院の雰囲気や看護師が行う業務について見学し、看護の仕事への理解を深めることができます。
また、自分がその仕事に向いているか、自分が働く職場として適しているかを判断する良い機会となります。
インターンシップに参加することで入職後のリアリティショックを防ぐこともできます。
看護インターンシップは1~2日間にわたって行われるのが一般的です。
インターンシップに参加するメリット
では、インターンシップに参加することのメリットについてお話しします。
病院に対する志望動機が具体的にわかる
インターンシップを通して、体験したことや感じたことを志望動機にすることで、志望理由が具体的になり、その病院の就職面接を受ける際にも役に立ちます。
実際の看護師の仕事や患者さんとのかかわりについて学べる
看護師が一日の仕事の中でどのようなことをしているのか、患者さんにどのように関わっているのかなどを実際にそばで体験することで、看護師の仕事を具体的にイメージ出来たりさまざまな学びが得られます。
看護インターンシップは、経験できる仕事内容が医療機関によって違います。
そのため、自分の興味のある分野、病院を選ぶことができます。
また、病院施設自体についても実際に内部を見ることもできるので、自分の希望に合った就職先を選ぶときの判断材料とすることができます。
参加時期はいつがいい?
看護師のインターンシップは、病院によって異なりますが、年に2回程度、夏(7~8月ごろ)と冬(2~3月ごろ)に行われていることが多いようです。
病院によって、1~2日と様々な日程で行われています。
看護のインターンシップに行く時期としては、1~2年生(大学であれば、1~3年生)のあいだに参加しておくことがおすすめです。
看護学生は、いつインターンシップに参加してもいいので、実習や、国家試験で忙しくなる前に参加するのが望ましいと思います。
3年生になってからもインターンシップに行けないことはありませんが、自分に合った就職先を探すためには、計画を立てていくつかの候補の病院のインターンシップに参加しておく必要がありますね。
インターンシップ参加時のマナー
インターンシップはこちらが具体的な看護師の仕事や病院を知る目的がありますが、病院側も優秀な人材を得たいという目的があるので、学生の行動を観察しています。
参加する際は、自分たちの行動が見られていることを十分に意識して、行動しましょう。
身だしなみ
看護師は清潔感が大切です。
学力があっても、身だしなみが整っていなければ、相手に与える印象はあまりよくありません。
- 服装はできるだけスーツが望ましいです。スカート丈が座った際に膝が見えないようにしましょう。
- ヒールの音が大きな靴は避けましょう
- メイクはナチュラルに見える程度にしましょう。
- 長い髪は束ねるようにし、前髪は目にかからないようにしましょう。
- 髪色は黒、または自然な茶色がいいでしょう。
- 爪は短く切っておき、ネイルは避けましょう。
態度
インターンシップ中の行動、言動は常に見られています。学びに来ているということを意識して行動しましょう。
- 私語はつつしむ
- 大きな声を出さない
- 勝手に患者さんに話しかけない
- 周りをよく見て落ち着いて行動する(走らない)
- 笑顔を心掛け、あいさつをきちんと行う
- 看護師に余裕がありそうなときは積極的に質問する
準備しておくもの
インターンシップを有意義な時間にできるように、事前に以下のものを準備しておきましょう。
- 情報収集したことをすぐ書けるようにメモと筆記用具を持参する(ポケットに入る程度の大きさのもの)
- 時間を見て行動できるように時計を持参する
- 看護師に聞いてみたいことを書いておく(もしくは考えておく)
インターンシップ参加時の質問や見ておくべき内容について
説明会の最後には「何か質問はありますか」と聞かれることが多いです。
何も質問をしないと病院に対し関心や興味がないと受け取られてしまいます。
病院のことを詳しく知りたいと考えているのであれば、説明を聞いているうちに何か質問が浮かんでくると思います。
質問をしなければ、興味を持っていないという印象を与えてしまう可能性があります。
参加している学生の人数が多い場合には、全員が質問する必要はありませんが、その病院に入職したいと考えているのであれば、自己アピールをできるチャンスです。
以下の内容を参考にし、質問してみたいことを事前に考えておきましょう。
参加したら質問しておくと良いこと
職場の状況を知るチャンスです。実際に働いている人から話を聞いてみましょう。
質問しておくとよいことは以下のような内容です。
- 看護師の平均年齢
- カルテの種類(電子カルテが導入されているか)
- 看護師の勤続平均年数
- 主な仕事内容
- 仕事でやりがいを感じるのはどんな時か
- 仕事をしている中で、一番大変なのはどんな時か
- 職場の雰囲気はどのような感じか
- なぜこの病院を選んだか
- この病院で働いていて、良かったと思うこと
質問をすることで、ただ見学するよりも、病院の雰囲気を深く知ることができます。
そして、自分はどのような職場で働きたいか、どんなことがしたいかを、もう一度確認するいい機会にもなります。
意識して見ておくとよいこと
実際に看護師のそばで職場の内部をみることができる大きなチャンスです。
以下のような内容に着目し、自分の目でしっかり確認してみましょう。
- 看護師の人数は足りているか
- 病棟の衛生面と管理体制は徹底しているか
- 働いている看護師は険しい表情をしていないか、雰囲気はどうか
- 病棟は働きやすい環境か
避けたほうがよい質問について
インターンシップの際に、避けたほうがよい質問があります。
以下のような内容です。
- 給料について
- 残業や離職率について
- 企業の悪評につながる内容
給料について
募集要項である程度は確認できるため、そちらを参考にして把握することが大切です。
給料について質問をすると、条件だけで仕事を選んでいる印象を与えてしまい、志望度が低いと思われてしまいます。
目安程度であれば、給料については調べられるため、インターンシップでは聞かないようにしましょう。
残業や離職率について
仕事をする上では重要であり気になるポイントですが、残業など、労働面についての質問をすると、条件で仕事を選んでいる印象を与えます。
また、そもそもの仕事への意欲が低いと思われる可能性が高いです。
企業の悪評につながる内容について
企業の悪評に繋がる質問はよくありません。これについて質問してしまうと、評価は大幅に下げられてしまいます。
病院によっては、不祥事が以前に起きていたり、「忙しい。」、「患者の評判が悪い。」、「給料が安い」などよくない噂が流れていることもあります。
そういった噂の真相については気になる人も多いと思いますが、これらに関する質問は、病院のマイナスイメージに触れることになり、印象が悪くなります。
まとめ
自分に合った病院を見つけるためには、インターネットなどで得た情報だけではなく、実際に足を運んで、”見て”、”触れて”、感じてみることが大切であると思います。
私のときは、付属の専門学校から、そのままその病院に入職したため、この制度については知識がなく、活用することがありませんでした。
しかし、今働いている病院でもインターンシップを行っており、それを見ていると、実際に看護師の卵として内部から病院を知ることができるというのは、とてもいい機会だと思います。
就職してからでは、簡単には辞められないので、就職先を決定する前に、ぜひこの制度を利用してみることをお勧めします。
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